トップ > 古版画 > ボタニカルアート19世紀以降 > ベルレーズ神父「ツバキ属」 > ローラン・ベルレーズ神父 「ツバキ属」 1839年−43年 No.176
ローラン・ベルレーズ神父 「ツバキ属」 1839年−43年 No.176
No.176
Camellia Parkerii
版画シートのみ イメージサイズ 240x310mm
写真はシートのマージンをイメージサイズまでトリミングしてあります。
マットやフレームはご希望により製作いたします。
<版画の出典作品>
ローラン・ベルレーズ神父 「ツバキ属」
1839年−43年 パリ 多色刷メカニカルスティップル銅版画手仕上げ
もともとは中国・日本原産であるツバキが東洋への憧れもあいまって、19世紀にヨーロッパで爆発的な人気を集めます。 様々な品種のツバキがヨーロッパに紹介され栽培されるようになり、また品種改良も盛んに行われました。
イタリア生まれのベルレーズ(イタリア名ロレンツォ、1784年−1863年)はチェネダ司教神学校で司祭に任命され、パリの教会に派遣されます。 そこでツバキに興味を持ったベルレーズは、既に1817年には自らツバキの栽培を始めていたと言われています。 精力的に栽培品種を増やし研究を進めていたベルレーズは1837年頃に、混乱していた新品種の分類や名前について整理し紹介するモノグラフの必要を強く感じました。 ベルレーズが20年以上に亘って収集し栽培したツバキについての研究の集大成である「ツバキ属」は、フランスで刊行された最高のツバキ図譜として各国で賞賛されました。 ベルレーズは1846年に全ての植物を売り払い、故郷のイタリアに帰りました。
「ツバキ属」の成功の要因は、ベルレーズのツバキ研究の成果は勿論ですが、植物絵師としてJ・J・ユングが参加したことも重要です。 ユングはベルレーズの庭園と温室に咲く生きたツバキを写生し図版にしました。 不思議なことにこれほどの絵師でありながら、ユングについてはどのような人物だったのかほとんど分かっていません。 また彫版と印刷は、ルドゥーテの「バラ図譜」などこの時代のスティップル版画の傑作を作っているレモン工房が行っています。 彫版にあたっては、ルドゥーテ時代のスティップルから一歩進んだメカニカルスティップルという技法が取り入れられ、さらに細密な点刻彫版が施されています。 目を凝らしてみないと彫版の跡が分からないほどの素晴らしい出来栄えで、スティップル彫版技術の最終形と言えるでしょう。
<出品版画について>
出品中の作品は全てオリジナルプリントで、現代の複製品ではなく、記載されている年代に実際に作られたアンティークプリントです。
古い版画ですから紙の酸化や湿気によるシミなどの自然なエイジング(経年変化)や、多少の破れや欠けなどのダメージがある場合があります。 海外では著しく損なわれていなければ、アンティークの魅力のひとつである歴史を感じさせる味わいの源として気にされない場合がほとんどです。 もちろん当店では出来る限りコンディションの良いものだけを集めるよう努力していますが、特にコンディションに敏感なお客様はご購入前にご納得がいくまでお問い合わせください。
<作品のマット装、額装について>
シート状態の版画にはお客様のお好みに合わせたマットをご希望でお作り出来ますので、別途お問い合わせください。 当店で使用しているマットは作品保護に最適なPH値の高い無酸マットで、作品を留めるテープも大英博物館でも使われている無酸紙テープです。
規格フレームサイズのマット付き版画にはお手頃な価格の規格フレームの在庫がございます。 フリーサイズのマット付き版画には、サイズをオーダー出来るモールディングフレームの準備がございますので、どうぞお気軽にご相談ください。
当店では様々なジャンルのアンティークプリントを常時数千枚在庫しています。 お手頃な価格のものから一流の美術品として通る貴重な作品まで、バラエティに富んだ品物を集めるよう努めています。 こちらではその一部しかご紹介出来ませんので、何かお探しの品物がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
商品コード : ARIAOBM18-176 |
価格 : 60,500円(税込) |
※送料はAランクとなります。 |
|
|