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ヨハン・ヨンストン 「鳥獣虫魚図譜」 1657年 No.A62
No.A62
不死鳥(上の2図)
ハーピー(中)
ギリシャ神話の女面鳥身の怪物。
このハーピーは現存している図像の中で 最も美人に描かれています。
グリフォン(下)
版画シートのみ イメージサイズ 195x310mm
写真はシートのマージンをイメージサイズまでトリミングしてあります。
マットやフレームはご希望により製作いたします。
<版画の出典作品>
ヨハン・ヨンストン 「鳥獣虫魚図譜」
1657年 アムステルダム 銅版画
18世紀にリンネ、ビュフォン、キュビエらによって近代的博物学が成立する以前の博物誌、特に動物誌は、未知の世界の動物を怪物として記した古代ローマの大プリニウス「博物誌」の流れを汲んでおり、そこに宗教的な吉凶の暗喩や奇形を自然な神秘とする考えが加わり、まさに怪物誌と言えるような驚くべきものです。 しかし怪物だけが描かれているわけではなく、身近な生物については写実的に正確に描かれ一緒に並べられているので、この怪物たちも本当に存在しているような気がしてきます。 ヨンストンの「鳥獣虫魚図譜」はこの種の博物誌の中でもヨーロッパの人たちに長く愛された代表的作品です。 それというのも図版を制作したのが当時ヨーロッパ最高の版画家集団のひとつメリアン一族のマテウス・メリアン(1621年−87年)とカスパー・メリアン(1627年−86年)だったからです。 メリアン兄弟の精密な描写によって、ますます怪物たちの存在の真実性が迫ってきます。
「鳥獣虫魚図譜」は18世紀になっても出版し続けられた大ベストセラーですが、初版は1649年から53年にかけてフランクフルトで出版されたラテン語版のようです。 今回ご紹介している図版は1657年アムステルダムで出版されたラテン語版からのものです。 初期の印刷なので、線が非常にシャープです。
ヨハン(ヨンあるいはヤンとも記されます)・ヨンストン(1603年−75年)はスコットランド移民の子としてポーランドで生まれました。 セント・アンドリューズ、ケンブリッジの大学で学び、1632年にオランダのライデン大学で医学博士の学位を取得、1642年には同大学の医学教授になりました。
この「鳥獣虫魚図譜」は1663年にオランダ商館長からオランダ語版が江戸幕府に献上されましたが、当時はオランダ語を読解できる者がいなかったので忘れ去られていました。 しかし将軍吉宗の時代になって、吉宗の医官で本草学者の野呂元丈が「阿蘭陀畜獣虫魚和解」(1741年)として抄訳しました。 また後に本草学者としても知られる平賀源内も、私財を傾けて原書を手に入れています。
<出品版画について>
出品中の作品は全てオリジナルプリントで、現代の複製品ではなく、記載されている年代に実際に作られたアンティークプリントです。
古い版画ですから紙の酸化や湿気によるシミなどの自然なエイジング(経年変化)や、多少の破れや欠けなどのダメージがある場合があります。 海外では著しく損なわれていなければ、アンティークの魅力のひとつである歴史を感じさせる味わいの源として気にされない場合がほとんどです。 もちろん当店では出来る限りコンディションの良いものだけを集めるよう努力していますが、特にコンディションに敏感なお客様はご購入前にご納得がいくまでお問い合わせください。
<作品のマット装、額装について>
シート状態の版画にはお客様のお好みに合わせたマットをご希望でお作り出来ますので、別途お問い合わせください。 当店で使用しているマットは作品保護に最適なPH値の高い無酸マットで、作品を留めるテープも大英博物館でも使われている無酸紙テープです。
規格フレームサイズのマット付き版画にはお手頃な価格の規格フレームの在庫がございます。 フリーサイズのマット付き版画には、サイズをオーダー出来るモールディングフレームの準備がございますので、どうぞお気軽にご相談ください。
当店では様々なジャンルのアンティークプリントを常時数千枚在庫しています。 お手頃な価格のものから一流の美術品として通る貴重な作品まで、バラエティに富んだ品物を集めるよう努めています。 こちらではその一部しかご紹介出来ませんので、何かお探しの品物がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
商品コード : ARIAON13-A62 |
価格 : 66,000円(税込) |
※送料はAランクとなります。 |
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